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2年前に初めてお会いし、UDSのまちづくりブログ
『FUTURE LEAGUE』にも寄稿頂いていた
高橋博之さんの新著。
http://future-league.com/archives/1252

6月からは私たちも一当事者として
『京都食べる通信』でお仲間に入れて頂き11月の
創刊準備中です。
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京都市の大原で採れたつくだ農園のにんじんを特集
普段見慣れないカラフルなにんじんをお届けします
のでぜひご覧下さい!

http://taberu.me/kyoto/

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都会と田舎。どちらかを選ぶのではなく、それぞれ
の価値をパラレルに享受できるような生き方はでき
ないのだろうか?

地方創生の問題を都市の問題も包含するスケールで
捉えることでこの国が直面している難問への解答に
近づけるのではないか?

01 「食べものの裏側」を知ると人生が変わる


・比較的安定した気候の西欧と異なり、台風や地震
 など荒ぶる自然と向き合ってきた日本の生産者は
 技を磨き、知恵を絞り、自然を畏れ敬い伝承して
 ものすごいクリエイティブな仕事をしてきた

・日本の一次産業のレベル、品質は世界有数である
 ただし、その価値は世の中に伝わっていない。

・食べものの裏側(=生産者)の情報を手にした人
 は生産者を見る目が変わる。
・その世界観を知れば共感と尊敬の念をもって
 生産 者に接し、その結果、生産者の社会的
 地位は向上、収入も増え、目指す若者も増える。

・販路拡大やブランド化など、まずは生産現場の
 収入を上げようというところから入るビジネスは
 これまでたくさんあった

・何が足りなかったのか?
 生産者の社会的地位をあげるところから入るビジ
 ネスの存在だ。

02 被災者に救われていた支援者

・都会から被災地にやってくる人たちが一様に口に
 していたのは「リアリティ」「生きる実感」
 「生きがい」「やりがい」

03 豊かな社会が引き起こした三つの「成人病」


①存在意義喪失型
 仕事が細分化、プロジェクトの駒のひとつ

②やりがい喪失型
 PCで数字を追うだけ、実体や現場経験がない

③正義希求型
 自然や他者を搾取している後ろめたさ

04 都市と地方をかきまぜる

・『競争を避ける内に閉じた地方の共同体を重視す
 る社会』と『競争を促進する外に開いた都市の
 個人を重視する社会』は本当に相容れないのか

・相容れないとされてきたふたつの社会がまざりあ
 った社会をつくるためにNPO法人東北開墾設立。

05 支援から連帯へ

・フランスの都市と地方の関係は対等

・フランスは国家産業である観光業や飲食業を地方
 の農業が支えている
・ミシュランの星付きシェフの本には必ずその地方
 特産物の生産者の写真が添えられている 
・その生産物がなければ、美食文化は成り立たない
 と互いに尊敬しあっている。

・支援ではなく「連帯」という関係が必要だ
・対等の関係ができてこそ、初めて地方は都市への
 依存から抜け出し自立する

06 逆参覲交代

・養老孟司さん
「都市の脳化社会の病いを克服するためには都市が
 排除している自然に定期的に触れることが大事」

・地方自治体は人口減少対策で相変わらず観光か
 定住促進しか言わない

・観光は一過性で地域の底力にはつながらない

・地方に移住したいと答える若者が過去最高、
 ただし、条件に医療と仕事をあげている。
 そのハードルは高いから結局は定住しない。
 地方に憧れているのは事実。

・観光でも定住でもなく「逆参勤交代」で地方を
 定期的に訪ねるというニーズは広がる一方

・交流人口と定住人口の間に眠る「関係人口」を
 掘り起こす

07 「東北食べる通信」の誕生

・コトラーの「マーケティング3.0」を具現化した
 のがAKB48
・成功要因は「共感と参加」が得られる仕組み

・都会のマンションに食べものの裏側の物語=
 「地方の生産者の物語」を伝える

・通常の食の宅配サービスは食べものが主役で生産
 者の物語は添え物
・これをひっくり返して物語を主役して生産物を付
 録にするモデルを考え、史上初の「食べもの付き
 マガジン=東北食べる通信が誕生

08 舌だけではなく頭と心で味わう

・「食べ物」の「物」から離れて、物語と生命に
 こだわりたかった

・産地直送で美味しいのは当たり前、食べものの裏
 側の物語を知ったことで、舌だけでなく頭と心で
 味わえる

09 参加型消費

・被災地で生き延びた種豚が生んだ仔豚にクラシッ
 ク音楽や落語を聴かせて育てる高橋希望さんの
 「有難豚」(ありがとん)
・豚もいい音楽を聴きながらストレスフリーで育て
 ば健康で美味しい肉になり、それを食べる人間も
 健康になれるという思い。
・生産者の物語を読むことで消費者に「共感」が生
 まれれば100円高くても買うという「参加型消費」
 が生まれる

10 リアリティの再生

・完成された消費社会は、味方を変えればすべてが
 「予定調和」
・波乱も困難も想定外の出来事もない
・真逆になるのが農漁村の生産者の営み
・人間がコントロールできない自然が相手だから快
 適でも楽でもない。便利もスピードもない。
 すべてが「予定不調和」

・都会のマンションにいながらでも、天候不順で魚
 があがらないという状況を共有したことで、漁師
 たちが直面している大自然と間接的に向き合える

11 二枚目の名刺、CSA

・食べる通信の読者には昼間は本業をこなし、夜間
 や休日に「食べる通信」イベントやコミュニティ
 に主体的に携わり、活動している
・定期的に開催している車座座談会も運営はこうし
 た読者の手に委ねられている

・CSA(Community Supported Agriculture)の運営
 も読者が活躍している
・CSAはアメリカで広がっている消費者が生産者を
 支える仕組み。
・自分の選んだ食べもののつくり手と交流しながら、
 食べものをつくる楽しさや苦労、収穫の喜びを
 分かち合うコミュニティサービス

12 読者から生産になるまでの五段階

一段目:読者になる
二段目:イベントに参加する
三段目:コミュニティ運営に携わる
四段目:食べる通信を卒業、特定の生産者を応援
五段目:実際に移住して生産者になる

13 都会で急増する体験農業

・東京の農業販売生産額は全国の9%もある
・23区農地の4割が集中している練馬区では体験
 農業が人気
・練馬区で1996年から体験農業を始めた
 白石好孝さんは現在140人の会員を受け入れる
・年会費38,000円、区が12,000円の補助で
 1人あたり50,000円。140人分で700万円の収入
・これからの都市農業は体験農業が収入のもうひ
 との柱に。

・人気の理由を白石さんは
「日本人は稲作を2000年もやってきた。
 明治維新で農業から離れてまだたったの150年
 DNAに刻まれている農耕民族の感覚が呼び覚ま
 されているのではないか」

14 グラウンドに降りる

・有権者も消費者も観客席の上で高みの見物をし、
 グラウンドでプレーしている生産者と政治家に
 文句だけ言っている。
・自分は安全なところにとどまり、決してグラウ
 ンドに降りようとはしない。
・農協がどう、政治がどう、役所がどう、スーパ
 ーがどうではなく「私はどうするか」

・ここが今の日本には決定的に欠けている。
・課題解決を他人の手に委ね、ダメだダメだと批判
 してみても事態は一向によくなってこなかった。
・今度は自分が課題解決の当事者として入っていく
 しかない。そうすれば、必ず今よりよくなる。