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4/19〜21の3日間、UDSではじめてとなる
新卒研修合宿を新卒9名を含む16名で周防
大島で実施してきました。

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地元の中学生たちにキッザニアやキャリア教
育の話を、と地元でUターン起業していた
大野圭司さんからお声がけ頂き周防大島を
訪問したのが3年半前。

その後、里山資本主義でも取り上げられ、
今では手作りジャムでは日本一の本数
(年間15万本)を製造販売する
の松嶋さんをはじめ
島の起業家や学校の先生、観光協会、町議会
議員の方々と交流を深めてきました。

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日本一の高齢化、10年前が22,000人だった
人口はいま約16,000人台に、さらに2040年
には10,000人を割り込むことが予測される
まさに消滅危険地域です。

UDSとして何ができるか、その後、周防大島
や東京で大野さん、松嶋さんたちと話してき
ました。

今回、UDSの新卒研修を地域課題解決型でプ
ログラムにしてみてはどうかと提案し、大野
さんに企画・段取りを頂きました。

Googleをはじめネットを検索すればほとんど
の情報が手に入り、行かなくてもストリート
ビューで現地の雰囲気を表現し、画像検索と
併せれば、誰でもそこそこの企画書はつくれ
てしまう時代。

ついつい、それが企画だと思って、肝心の
地域の実情や、そこに住む人たちの想いに
目配り、心配りができず表面的な提案を
しっぱなしで終わる、なんてことが起こり
がちです。

今回、建築系の新卒が多かったこともあり、
なおさらのこと、島のリアルに向き合って
ほしいという意図をもって臨みました。

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到着早々、大野さんから新卒メンバーに
3日間のコンセプトとして
「Discover Local」「現場主義」を。

具体的な課題は、2年後に廃校が決まった
東和中学校の有効活用プラン。

新卒に対して私から出したテーマは2つ
①島(地域)をリスペクトする
②腹を出す、腹を割る

大野さんからは島の人たちへの接し方やプレ
ゼン技術にもつなげて「目・口・笑顔」と
いうわかりやすいキーワードを頂きました。

目を見て、大きな声で、笑顔を。

初日は、廃校をサテライトオフィスとして
活用しているビジコムさんの事例視察を
経て、対象となる東和中学校へ。

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3年半前、はじめて周防大島に来て授業を
させてもらった思い出の中学校。

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放課後に中学生たちが残ってくれて、
UDSの来訪を歓迎、この一年、大野
さんの指導を受け実施して表彰もされた
擬似株式会社によるキャリア教育の
実例をプレゼン頂きました。

出資金の調達から、商品の仕入れ、販売
利益の配当まで、一通り株式会社の仕事
を実践していてびっくり!

新卒メンバーよりもリアルな事業計画
をたてており新卒一同にあせり。。

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窓から見える自然と教室の木の感じが
なんとも気持ちよく居心地の良い校舎

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2泊3日の宿泊先、温泉、移動交通、全食事
は観光協会会長でちどりグループの山崎社長
からご提供頂きました。

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夕食前に、観光協会事務局長の江良さんと
町議会議員の新田さんにお越し頂き、島の
実情をレクチャー頂きました。


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場所を中庭に移し、島の食材を使った
バーベキューを満喫。

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初日の夜は、遅くまで1人2分で自分はこれ
から何に情熱を注いでいくか、パッション・
ステイトメントをプレゼン、先輩たちから
徹底的にフィードバックしてもらいました。

だいぶ腹も割れ始めてきたのでは?と手応え


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2日目は瀬戸内ジャムズガーデンを訪問
地元で採れる青果は地元農家さんから、
採れないものは6次化で自分たちで生産
という明瞭なコンセプト


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松嶋さんから、起業の経緯、日本一の手作り
ジャムを製造販売するに至るまでの話と、
島の実情をレクチャー


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後半は新卒メンバーに起業家としてのアド
バイス。計画的偶発性を活かすコツ。


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一同、エンドユーザーとして、たくさんの
ジャムを試食の上、購入!


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午後は、島の観光スポットや道の駅を巡り
島の人たちとも積極的に会話をしてニーズ
を探りました。


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干潮時にだけ歩いて渡れる離れ島の真宮島
など、快適なスポットが多い周防大島。
観光地としてのポテンシャルを実感。


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宿舎に戻ってからは本格的な企画づくり。
3名1グループで3グループ。


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各グループには先輩社員が2名つき、企画
や設計の入口の考え方を伝授


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各グループより中間発表。
大野さんと先輩社員からフィードバック。


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夕食が終わってから、各グループの提案を
車座になって、みんなでアイデアを出し切る
限界まで考え尽くす、チームで企画をつくる
という体験はできたのではないかと。

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大野さんにも協力頂き、全員で深夜まで企画
を練り上げました。

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最終日には観光協会会長、副会長、事務局長
や町議会議員、新聞社の方々が新卒のプレゼ
ンを聞きにきてくださり、熱心にフィードバ
ックも頂きました。

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(第1グループ)
「周防大島アクティビティホテル計画」
島内×島外の人が繋がり、魅力を再発見する


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(第2グループ)
「未来をのぞきに行く島」
教育×宿泊
(修学旅行×自然教育)

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(第3グループ)

東和中学校→カノア小学校
学校で好きを見つける
暮らしで好きを深める

島の方々から

「アイデアは面白いけど地元の雇用につなが
 らなければ意味がない」

「夏はいいけど冬はどうする?」

「移住・定住者が増える企画でなければ未来
 がない」

「島の最重要課題は人手不足、人の採用は
 どうやるのか?」

「人件費や経費の見方が甘すぎる」

などなど、極めて現実的なフィードバックを
頂きつつ、総論として、初めて来た島でわず
か3日でつくられた企画としては異口同音に
賞賛を頂きました。

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今回の合宿で私が感じたことはひとえに
「仕事をつくる」ことにつきるということ。

島の仕事をつくる意味と、仕事は与えられる
ものではなく自分でつくるという意味で。

松嶋さんが講演でおっしゃっていたとおり、
島に起業家が多い理由は、仕事がないから自
分でつくらないと生きていけない、という単
純明快な理由

東京中心にいまやバズワード的に言われてい
る起業家支援、育成、と温度差を感じます。

松嶋さんが本田宗一郎さんの言葉を引用しな
がら「見たり、聞いたり、やってみたり」で
やってみたりする人はほとんどいない、と。

この3日間で、現場で感じてから考えること
とにかくあらゆる人に聞きまくって、会話を
楽しんで企画を考えていくことの入口にはた
てたのではないかと思います。

大野さんから、この研修は研修のためではな
く地域の改革につながるプロジェクトにする
ため、と力説頂きました。

6月23日に改めて島の方々にUDSの講演会と
廃校活用プランをプレゼンする場をセット
頂きました。

早速、企画グループをつくり、昨日提案した
内容をこれから2ヶ月でブラッシュアップ
していきます。

大野さんからは最後に島のビジョンとして
「100年続くふるさとをつくる」

そのために、UDSと周防大島が両思いで
100年続く関係をつくりましょう、と呼びか
け頂きました。

UDSとしても、まちづくりをする会社として
新しい新卒研修のカタチがつくれるのでは?
と手応えを感じました。

来年以降も継続して、研修のための研修では
なく、具体的な地域課題解決につながる実践
方式の合宿を企画していきます。