ビジョンヒアリングは今週末でほぼ終了。
約150人と、ヒアリングのたびに仲間が増えて
いることを実感できます。ありがたいことです。

20代、30代、40代それぞれに、今後のキャリアに
ついてポジティブな人もいればネガティブな人も
いて笑いあり涙あり、本当に人それぞれです。

共通するのは全員、まじめに自分の成長機会を考え
ていることで、その中でUDSで働くことの意味が
見つかればいいね、というスタンスで聞かせて
(話させて?)もらってます。

さて、今回、特に印象に残ったのが40代前後の
調理師や設計者など技術者の悩みです。

現場における立ち仕事や細かな手作業が求められる
中、肉体的な衰えや体調、体質の変化に対して、
どう対処して、今後、いつまで現役ができるのかと
いう漠然とした不安。

その職に就く人誰しもが通過する課題なので、特に
目新しくはないかもしれませんが、小さい組織なが
ら社員で50代を独走?するリラックス食堂広島の
調理長に、未現役バリバリで日々楽しく
調理ができる秘訣を伺いました。

10代から体型も変わらないそうですが、50代になり、
より大切なのがメンタリティー、精神力とのことです。

肉体的な衰えは避けることができないので、とにか
くよく寝て、いいものを食べる、趣味などでストレ
スをためないこと、そして若い人と常に一緒にいる
ことで精神的な若さを保つことができ、結果的に現
役でやり続けられているとのことです。

、何歳までできるかというとこれは未知の領域
ですが、今の採用難、人手不足を踏まえると
ペッパーみたいなAI+監修役の80代調理師みたいな光景も
あながち絵空事でもないのかなと思います。

何歳まで働くのか?
ヒントになる本を読みました。

2013年に「WORK SHIFT」で働き方ブームの先鞭を
つけたリン・グラットンさんの新著「LIFE SHIFT」。

働き方<生き方、特に人生100年時代をどう生き抜く
かというテーマで、とてもタイムリーで示唆に富ん
でいますのでぜひ一読をおすすめします。


LIFE SHIFT(ライフ・シフト)
リンダ グラットン
東洋経済新報社
2016-10-21

https://www.amazon.co.jp/dp/4492533877

人口学者たちがいまの子どもたちの平均寿命を推計

2007年にアメリカ、カナ、イタリア、フランスで
生まれた子どもの50%は104歳まで生きる見通し

日本の子どもにいたってはなんと107歳!まで生きる
確率が50%です。

約100年前の1914年に生まれた人が100歳まで生き
ている確率は1%にすぎませんでした。

10年ごとに平均2〜3年のペースで平均寿命は上昇

1997年生まれの50%が101〜102歳
1987年生まれの50%は98〜100歳
1977年生まれの50%は95〜98歳
1967年生まれの50%は92〜96歳

これにより、今までの教育→仕事→引退という人生
3つのステージからマルチステージになる、
エイジ(年齢)=ステージにならず、異世代間交流
四世代同居などライフスタイルにも大きな影響が
予測されます。

大学生=18-22歳ではなくなる、という意味ですね。

個人的にはこのデータをみて、今まで通り60〜65歳
で今の仕事を終えたのち、その後の20年のエンプロ
イアビリティを高めるため、改めて教育を受ける機
会やニーズが増えるのではないかと思いました。

特に長寿化する一方で日本の経済が縮小していくと
なると、再就職や再起業のフィールドが限りなく
グローバルになると、日本で培った技術や知恵を
どうニーズのある国、地域に還元できるかがポイン
トとなりそうで、実務的な語学やコーチングをテー
マとする第二大学、第二人材紹介会社などが
出てくるのかなと思いました。

今でも引退後、現役時代に培った技術や知識を伝承
する、いわゆる顧問的な仕事につく流れはあります
が、100年ライフになると少し様相が変わるのでは
と個人的に思います。

60歳で新卒、70歳の課長、80歳の部長、90歳の社長
も冗談っぽい話ですがあり得るかなと。

つまり、余生を悠々自適というスタンスではなく、
60歳にしてもう一度、20年働き続けるための教育や
就活、起業をするのかもしれません。

教育→仕事→一時引退→教育→仕事→引退という
2ラウンド制になるのかもしれません。

LIFE SHIFTのメッセージとして、長寿化時代を
厄災として憂うのではなく、恩恵として楽しむことと
ありました。

個人的にも60歳から今度は何をしようか?
と考えるのは楽しいことです。

本の末尾で、長い人生を生きるうえでは、なにかに
打ち込み習熟することが今以上に必要になると
説かれています。

VISION SHEETでも書いて頂いた一万時間かけて身に
つけていく3つのスキルの重ね合わせと意味合いは
近いかもしれません。

気が早いですが、次回のビジョンヒアリングでは
100年ライフを前提に、どのように自分のキャリア
を計画、実験、習熟していくか、意見交換させて
頂ければと思います。

ぜひ、一度、100歳まで生きる前提でのライフ&
キャリアプランを考えてみて下さい。

(2016/10/30_マネジメントだより_326)