個人的には、地方創生が叫ばれる中、実態が
追いつかない地域、自治体への貢献をしてい
きたいと、今年は特に地方に集中した動きを
とってます。

そのような中、新たにスタートしたプロジェ
クトでは地域包括ケアを具現化できる場づく
りがテーマとなっており、UDSとして、
Think Next,Act Nowにつながるのではないか
と思い共有させてもらいます。

地域包括ケアを考えていくにあたり、タイミ
ングよく、以前に講演会でご一緒して交流の
ある徳田雄人さんが岩波書店から
を出版されました。




徳田さんは元NHKのディレクター、認知症
を取材する中で使命感にかられ退職し、
NPO認知症フレンドシップクラブの理事に
つき、認知症にかかわる活動をしています。

一番共感しているのは、認知症フレンドリー
社会の意味するところで、「社会全体を認知
症対応にアップデートする」必要性です。

認知症の人は2018年で500万人と言われてい
ます。日本の65歳以上人口が3,514万人
(人口の27.7%)いる中で7人に1人が認知症

100人いるとしたら、28人が高齢者で4人が
認知症というのがいまの日本の構成です。

ちなみに小学生は6学年計で645万人です。
認知症は増え、小学生は減るのでいずれ
逆転するのでしょうね。

年齢別では75歳から認知症が急増、85歳
以上では女性の58.9%が認知症、つまり、
認知症でない人のほうが少なくなります。

認知症の人が普通にいる社会は長寿社会の
必然の帰結となります。

2030年には世界で1億人を突破予定です。

従って、もう「健常な人」が「健常でない
人」を世話する発想は捨て、互いが互いを
支える必要性を徳田さんは書かれてます。

認知症フレンドリー(Dementia Friendly)
は、やさしくしてあげる、という意味合い
ではなく、⚪︎⚪︎にとって使いやすい、適応
している、という意味合いが込められて
います。

本でも紹介されていますが、町田市がスター
バックスと連携してD-カフェを展開認知症の
人もそうでない人も気軽にコーヒーを飲みな
がら交流できる場づくりはUDSでもできそう
です。

また、RUN伴は認知症の人と地域の人が一緒
になって北海道から沖縄までタスキリレーを
する活動で、2011年には参加171人ったの
が2017年には41都道府県で2万人が参加して
います。

共同研究でご一緒している慶應SFCの井庭崇
さんは2015年に認知症のパターン・ランゲ
ージ「旅のことば」を出版されてます。
(個人的にかなりおすすめの内容です!)
いずれも、認知症の人ができる範囲で普通に
生活を送れる社会へのアップデート事例です

政府は2017年に「地域共生社会」をコン
セプトとして打ち出しています。

子ども・障害・高齢者・生活困窮など分野
ごとに縦割りの対策を見直し、「支え手」
「受け手」の関係を超えて地域住民や地域
の多様な主体がつながり地域をつくってい
くことを理想に掲げています。

話が認知症に偏りましたが、間違いなく到来
する少子高齢化社会、かつ人生100年を迎え
ることで必然的に増える認知症、これらの
社会課題をどうThink Nextするか。

これから日本は世界でも経験したことのない
超高齢化社会と認知症人数に進んでいく、
まさに課題先進国となります。

その日本において、都農町のような過疎化が
指定されている町はさらに課題先進町、
つまり、都農町の課題解決が、日本、世界に
向けての先進モデルとなり得ます。

そのことを励みに、新しい解決策を考え抜き
アクションを起こしていけば、未来に向けて
UDSのNextビジネスとなるかもしれません。

UDSの強みはエンドユーザー視点で考えるこ
とです。

50歳を超えた1人のエンドユーザーとして
82歳で一人暮らしの母親をはじめ自分や家族
のことを思うとこれは喫緊のテーマであり、
必然を感じます。

鍵を握る地域包括ケアの横断的なソフトづく
りは、UDSの組織づくりの経験を活かして、
クライアント=一人ひとりの町民に喜んでも
らうために部門を超えたチームアップ、フラ
ットな関係をどうつくれるか、来年以降の
Act課題とします。

(2018/11/25_マネジメントだより_434)