昨日、薩摩川内市と共催イベントを開催。

川内


【マネジメントだより399】会津若松のデジ
タルによるスマートシティ構想、でご紹介
していた会津若松在住、アクセンチュアの
福島イノベーションセンター長、中村彰二
朗さんを薩摩川内市にお招きし特別講演を
頂きました。

会津若松ではいよいよ4月22日に、500人
近い東京・海外の企業社員が入居する
AiCTオフィスが開設、開所式には複数の
大臣クラスも訪れる予定です。


中村さんが大事にしているコンセプトは
「オープン」「フラット」「シェア」
そしてまちづくりとしてはコミュニティが
もっとも大切、という点でUDSとの親和性
も高いと思います。

中村さんがやりたいことは、東京集中から地
方分散し、日本を豊かにすること。

会津若松での実証例、成果をもとに各地方都
市に伝播させて行きたいとおっしゃってたの
で、真っ先に思い浮かんだのが薩摩川内市。

3.11のあと、2011年からエネルギーのまちと
して次世代エネルギービジョンを策定し、
スマートシティ構想を進めている薩摩川内市
にとっても、会津若松のデジタルシフトによ
る施策は必要と考え、中村さんをつながせて
もらいました。

個人的にもやりたいことの一つが東京を介さ
ない地方to地方での創造社会づくりだったの
で、積極的にコーディネイトし、今回一つめ
のアクションとしてイベントに至りました。

薩摩川内市としても一体感を持って、単なる
講演会に終わらないよう、次世代経営者とし
て、商工会議所・商工会の青年部長、青年会
議所役員などをトークセッション登壇者とし
て招致。

いつもお世話になっている次世代エネルギー
対策監の久保さんと私を合わせてトークセッ
ションを中村さんを交えて行いました。

中村さんの講演はUDSの皆さんにもいずれ
ぜひ聞いて欲しいと思います。

基本は、東京の成長がとまっており今後も
可能性は低く、日本の伸びしろは地方。

地方の課題は仕事がないこと、なのでアク
センチュアの業務分析を行い、仕事の半分は
東京以外でできると判断、この4月から200
人を会津に移住させます。

例えば統計分析を行う仕事は日本だと地位が
低いそうですが、世界ではデータアナリスト
の平均給与は44,000千円!

これから、会津若松でも会津大学と連動して
市民のビッグデータを分析し医療や省エネ、
観光へとビジネス展開していくことで東京と
同じ給与水準での雇用を確立していきます。

これまでの地方での仕事というと、東京の
支社、営業所という位置づけが大半でした。

アクセンチュアではビッグデータ分析やデ
ジタルシフトのスマートシティづくりがした
ければ会津若松、ロボットだったら北海道、
〇〇だったら熊本、、などのように各地方
でしかできない仕事を確立しています。

実際、4月の新卒は600人いる中で希望を募り
面接し会津若松には40人が希望を出したそう
です。

中村さんが考えるスマートシティの意義は、
データを通して市民が参画するまちづくり。

データがあれば、新人議員も60-70代議員の
既成概念を覆せるという考えです。

データを見ると、人は賢いので行動変容を
起こします。過去のことでは行動に移せず
リアルタイムが大切。

市民データの元になる材料として、市民が
市のビジョンや情報をどれだけ知っている
かを測るコミュニケーション率があります。

市政だよりとか市のホームページなど。

会津若松市では、5%だったところ、中村
さんを中心に、会津大学、会津市長、アク
センチュアなどの産官学民の連携施策で
作ったポータルサイト「会津若松プラス」
は20%を超え、30%を目指しています。

ちなみに、イギリスは40%、フランス50%
オランダ60%、デンマーク80%。

日本がモデルにしているエストニアは90%

エストニアでは選挙もスマホで完了し、
開票・集計も即時できるとのこと。

エストニアは高齢者対策、あるいは寝たき
り老人の選挙権の問題からデジタルシフト
をしたそうです。

今回の講演でも中村さんと話し合い、一番
のメッセージは、デジタルは都会の若者の
ためではなく、地方の高齢者のためにこそ
価値がある、にしました。

政府が出しているSociety 5.0もわかりやす
く参考になります。
(WEB限定ムービー わかりやすいです)

先週のマネジメントだよりでも言及した地域
医療問題にも関わりますが、現状の医師の
医療行為の60%がカルテPC入力だそうです。

会津若松では今後、カルテはAIで処理、音声
だけで電子カルテ化し、どこの病院に行って
もすぐに検索できることを目指しています。

医師にとっても、診察が終わった後、一生懸
命PC入力、それにより患者は診療を待ち、
会計を待ち、薬の処方を待つというロス。

この一例に代表されるように、デジタル化で
合理化できることは多くあります。

地方の企業にとっても、仕入・物流・経理シ
ステムなどは一社で導入せず、地方全体で
プラットフォームを共通化することで格段と
費用が下がり、生産性も上がります。

今回のトークセッションでファシリテーター
を行いながら自分自身びっくりしたのは、
登壇者の薩摩川内市の経営者の方々が既に
実務で先端技術を取り入れていることでした

下町ロケットで放映された無人トラクターを
導入、設計事務所としては3D CADをフル活
用、あるいはクラウドを使った人員減対策な
ど、デジタル化の観点では確実にUDSよりも
先進的です。

ただ課題は1社で頑張ってやるものの、横の
繋がりがなく面展開、スケールメリットが
起きていないことでした。

嬉しいことに、今回のトークセッションが
3団体の経営者が一堂に介し話すのは実質、
初めてだったということ。

これを機に、来年のスマートハウスでの
フューチャーセンターで3団体が関与してい
くことが決まったのも、UDSの実務的には
大きな収穫でした。

以上のような話を聞き、200人集まって頂い
た薩摩川内市民から146通、アンケートを
回収できました。

わかりやすい説明で満足度は高かったです。

(アンケートコメントより抜粋)
・スモールスタートが大事
・子どもたちにもっと聞かせたい
・学校で講演してほしい
・知らなかったことがわかった
・デジタルは高齢者のためという意識が大切
・地方都市の今後の展望が明るくなった
・高齢者視点での初歩的なイベント欲しい
・東京の一極集中を実感、地方に就職先ない


中村さんと話してたら、たまたま近江八幡市
の小西市長と友達らしく、来週、訪問。
宿泊先はUDSが連携しているMachiya Innと
聞いてびっくり。

お互い、縁が繋がりすぎて怖いねと笑いな
がらも会津若松市、薩摩川内市、近江八幡市
がスマートシティ構想でつながっていくと、
UDSのまちづくりとしても面白くなるなと
思います。

日本の地方都市にとってのまさにGo Next!

UDSとしては、中国・韓国・スリランカと
成長都市でのチャレンジを最優先で進めて
行きますが、同時に日本の伸びしろである地
方ではスマートシティ開発の一助を担ってい
きたいと思います。

(2019/03/03_マネジメントだより_448)