水曜日に慶應大学SFCで、体験ギフトを展開
するソウ・エクスペリエンスの西村社長をお
招きして井庭崇教授、私の3人で、
「ひとりひとりがクリエイティブに仕事を
楽しむ これからのマネジメント」をテーマ
に出版に収録するための鼎談を行いました。

いまUDSと井庭研では、共同研究で「ひと
りひとりがクリエイティブに仕事を楽しむ
マネジメント・デザイン」のパタン・ラン
ゲージを作成中です。

『プロジェクト・デザイン・パターン』
『おもてなしデザイン・パターン』に続く
第3弾として来年の出版を目指してます。

これまでに、私が井庭さんと井庭研の学生
たちと延べ10時間以上話してきたことを
ベースにパターン・ランゲージ案を作成。

今後、客観性を高めるために外部の経営者
の考え方や実践している経験則を反映して
行きます。

現時点では、私と井庭さんが話してきた内
容を井庭研で、

クリエイティブ・マネジメントは
「創造的冒険のマネジメント」である

「創造的冒険のマネジメント」は大きく
3つのカテゴリーに大別される

①Creating Manager のあり方
 (Playing Managerの創造社会版)

②組織のメンバー一人一人が創造性を発揮
 して仕事を楽しむための工夫

③メンバーと組織全体が、現在から未来に
 向けて育ちながら展開していくこと

まだまだ、仮説段階ではありますが、今の
UDSをマネジメントしていて実際に必要性
を感じているテーマ設定となっています。

西村さんは慶應大学卒業後、すぐ起業し、
以来15年近く、体験ギフトという新しい
ビジネスモデルを定着、ユニークなポジ
ションを確立しています。

西村さんが学生時代から個人的に縁ができ
親しくさせて頂いており、マネジメントに
対する考え方にもとても共感しています。

最近では、子連れ出勤の様子がカンブリア
宮殿で特集されメディアでも話題になって
いますが、西村さんはいたって自然体。

もともと、自分の子どもを連れて来ざるを
得ないところから、自然と子どもがいる
オフィスになり、今でもいつも普通に社員
の子どもが遊んでたりオムツをかえたりし
ているそうです。

仕事も生活の一部、オフィスの家具も家庭
用の家具を使い、西村さん自身は毎日定時
で帰るなど、働き方改革が言われる前から
公私のバランスを考えた仕事をしてきてい
ます。

今回、改めて話して感じたことは、ソウ・
エクスペリエンスにしてもUDSにしても
いかに創造的なアイデアを出し続け、いい
チームで楽しく実践し続けられるか、が
重要な経営課題であることです。

そのようなテーマについて、西村さんなり
の日頃のマネジメントのやり方について、
とても多くの気づきや刺激を頂きました。

当日の話で印象的だったのは、創造性を高
めていくには、集中的に量を増やして、質
を高めるプロセス。

ただし、これからは国策としても量は減ら
していく時代。それ自体は良いことですが
創造性を養うためには制限がかかるという
捉え方もできます。

そうなると、今やっている仕事の中での配分
をストイックに適正化していくことが必要に
なります。

例えば、毎日、仕事が終わったら今日自分が
価値を作れた仕事、未来に向けてできた仕事
はどのくらいの時間あるのか?

生産性を高める、というと安直にAIやICTを
思い浮かべテクノロジー頼りにして議論が終
わってしまいますが、本質は日々の自分の仕
事の中身の検証を繰り返し、ルーティン作業
やるべきことと新しいこと、面白いことを考
える時間を主体的に配分していくことではな
いかなと思います。

そのためには、組織全体で、新しいことや面
白いことの重要性を絶えず確認していくこと
もマネジメント側の責任としてはあります。

グーグルや住友スリーエムが自分の労働時間
の20%は新しいことを考えることにあてなけ
ればならないという20%ルールは有名です。

いい面もたくさんあると思いますが、個人的
には会社が規定してしまうこと自体、本質的
には創造的じゃないんじゃないかなと思って
しまいます。

理想的には、個人のセルフマネジメントの中
で自主的に配分していくことだと思います。

マネジメントがするべきは、そのためのセル
フマネジメント力の育成ではないかなと思い
ます。

スキルもさることながら、そうしようという
マインドの醸成も含まれますね。

何れにしても、UDSとしても個人的にもまだ
まだできてないことだらけです。

組織の大きさや業績を言い訳にすることなく
一人ひとりが創造的に仕事を楽しむためには
どうすれば良いか?日常的に考え続けられる
ようにしていきましょう。


(2019/12/29_マネジメントだより_490)