先日、新卒同期で、歌舞伎町に越して来た上場企業の役員をやってる友人と
会食してた時、彼のマネジメント基準を聞いたら一言「信用」だと明言してました。


社員が信用に影響する行動をとった時はどんな事でも看過せず厳しく対処、
逆に信用が保たれてれば自由に裁量をもたせる。とても明瞭でわかりやすいな、
と感心するとともに、自分の場合はどうだろうと考えました。

自分にとって一番といえば「クライアントフォーカス」です。

UDSに入社してすぐ、上場もあるのでこれまで大事にしてきた考え方や
価値観を明文化しようと全社員(当時30人ぐらい)で議論してたどりついたのが
「クライアントフォーカス」でした。

クライアントの立場に徹底的に立って、とにかくクライアントに満足してもらう、
さらには賞賛してもらうという想いを込めて決めました。

コーポラティブハウスで最も大切にしていたことであり、私自身もその
顧客満足度の高さに感銘受けて入社した1人だったのでとても腹落ちし、今に至ります。


UDSの基幹事業コーポラティブハウス。
今、直接はやってなくても精神的支柱となる事業


私が担当したコーポラティブハウスの入居者は、満足度のひとつの表現として
引渡と同時に1冊の本にして出版されました。

聞かされてなくてびっくり!色々と関係者の調整も大変でしたが楽しい体験でした。

究極のクライアントの立場に立った本としてその後コーポラティブハウスを検討する人に
とっては参考書になりました。

フリーライターの入居者が2000年に出版


月日も流れ、会社はコーポラティブハウスからホテルや商業施設、オフィスへと事業を展開し、
クライアントは一般入居者であるエンドユーザーから法人へと拡がっています。

今もなお、UDSの一番大事な経営理念はクライアントフォーカスであり、クライアントの
立場にたたない言動や提案はダメ出しするようにしてます。

とは言え、コーポラティブハウスに比べればクライアントとの距離も離れてますし、
法人の場合は特に誰が意思決定者か見えない事も多く、ともすると精神論になりがちです。

個人的に一番難しいと思うのは、「クライアントがいいと言ってます」という報告を
受けるときです。

そのクライアントが大企業の場合、担当者の保身として現状維持を重んじることもありますし、
余計なことしてリスクを負いたくない、そうすると平凡なものになってしまいます。

ある意味、クライアントの立場にはたってるのでしょうが、それでは私たちに発注して
もらった意味がないと思ってます。

私たちの仕事には、必ずこれまでにない「新しさ」や「面白さ」があって、
「社会的意義」のある活用で、さらにクライアントがちゃんと「利益を出せる」こと、
を目指して提案しなければならないと思ってます。


リラックス食堂の場合は直接の寮生だけでなく
その両親、そして予備校がクライアント。
おいしい+栄養バランス+笑顔のサービスで
LEAGUEの場合は入居企業とラウンジ会員
場所と経済性だけではなく、つながりを支援する
コーディネイトや新しい出会いを演出するイベント等で


正解や客観性もなく、マネジメントとしては難しいところですが、法人の場合はわかりやすい
バロメーターとしてリピート発注があります。

今、リピートを頂けている法人クライアントにその理由を尋ねると、「斬新なアイデア
だから」「デザインがかっこいいだけではないから」「事業性と社会性のバランスがいい」
等々とおっしゃって頂けます。



まだまだ満足でとどまっていると反省はつきません。賞賛、絶賛レベルに到達しなければ
この先、生き残っていけないでしょうし、個々人の成長も角度が鈍ると思ってます。

1人ひとりの企画や行動が本当にクライアントの立場にたってるか?
これからも私自身、問いかけながら進んで行きたいと思います!